ルイザ・サンドール王妃殿下。
名門公爵家の出身で、フェルナン第一王子の生母であり元聖女。
血統と規律を重んじる性格のため、婚外子であるセレーナを嫌悪し、ふたりの結婚に猛反対している──。
(身代わり計画を知らせないってことは、フェルナンは王妃様を疑っているのね)
実の母親を暗殺の黒幕として警戒するなんて……と思う反面、あの苛烈な王妃ならやりかねないと納得もしてしまう。
(あぁ……この仕事、想像の何十倍も大変だわ……)
ベアトリスは一抹の不安を覚えながらも、ここ最近の寝不足による睡魔に抗えず、机につっぷしたまま目を閉じた。
まどろみの中で『仕方ないですね』という穏やかな声が聞こえ、誰かに優しく抱き上げられた気がしたが……まぶたが重たすぎて目を開けることはできなかった。
そうして、ついに迎えた身代わり任務の当日──。
ベアトリスは金髪を赤毛に染めあげ、セレーナから借りた薄紫色のドレスを身にまとい、王妃主催の夜会に出席した。
✻ ✻ ✻
バレたらどうしよう……と内心ヒヤヒヤしていたが、今のところ特に怪しまれることなく、無事に挨拶回りを終えられた。
名門公爵家の出身で、フェルナン第一王子の生母であり元聖女。
血統と規律を重んじる性格のため、婚外子であるセレーナを嫌悪し、ふたりの結婚に猛反対している──。
(身代わり計画を知らせないってことは、フェルナンは王妃様を疑っているのね)
実の母親を暗殺の黒幕として警戒するなんて……と思う反面、あの苛烈な王妃ならやりかねないと納得もしてしまう。
(あぁ……この仕事、想像の何十倍も大変だわ……)
ベアトリスは一抹の不安を覚えながらも、ここ最近の寝不足による睡魔に抗えず、机につっぷしたまま目を閉じた。
まどろみの中で『仕方ないですね』という穏やかな声が聞こえ、誰かに優しく抱き上げられた気がしたが……まぶたが重たすぎて目を開けることはできなかった。
そうして、ついに迎えた身代わり任務の当日──。
ベアトリスは金髪を赤毛に染めあげ、セレーナから借りた薄紫色のドレスを身にまとい、王妃主催の夜会に出席した。
✻ ✻ ✻
バレたらどうしよう……と内心ヒヤヒヤしていたが、今のところ特に怪しまれることなく、無事に挨拶回りを終えられた。



