【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

 ルイザ・サンドール王妃殿下。
 名門公爵家の出身で、フェルナン第一王子の生母であり元聖女。

 血統と規律を重んじる性格のため、婚外子であるセレーナを嫌悪し、ふたりの結婚に猛反対している──。

 
(身代わり計画を知らせないってことは、フェルナンは王妃様を疑っているのね)

 
 実の母親を暗殺の黒幕として警戒するなんて……と思う反面、あの苛烈な王妃ならやりかねないと納得もしてしまう。

(あぁ……この仕事、想像の何十倍も大変だわ……)

 ベアトリスは一抹の不安を覚えながらも、ここ最近の寝不足による睡魔に抗えず、机につっぷしたまま目を閉じた。

 まどろみの中で『仕方ないですね』という穏やかな声が聞こえ、誰かに優しく抱き上げられた気がしたが……まぶたが重たすぎて目を開けることはできなかった。


 そうして、ついに迎えた身代わり任務(テスト)の当日──。
 
 ベアトリスは金髪を赤毛に染めあげ、セレーナから借りた薄紫色のドレスを身にまとい、王妃主催の夜会に出席した。

 
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 バレたらどうしよう……と内心ヒヤヒヤしていたが、今のところ特に怪しまれることなく、無事に挨拶回りを終えられた。