【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

 フェルナンに慰められたことで、セレーナはようやく落ち着きを取り戻したようだ。

「泣いてしまって、ごめんなさい……まさか、ベアトリスがいるとは……思わなくて……」

「謝るな。君はずっとベアトリスに虐められてきたのだから、驚き動揺するのも無理はない」
 
 フェルナンがちらりと視線を寄越してきた。これまでセレーナにしてきた悪行を謝れ──という意味だろう。

 また私だけ悪者扱いなの……?と、憤りが一気に湧いてくる。

(落ち着くのよ、私)

 相変わらず神経を逆なでするようなセレーナの言動に腹は立つが、彼女に対して威圧的な物言いをしていたことは事実。

 謝罪の気持ちは口にしなければ伝わらない。発した言葉のひとつひとつが、のちに自らの人生を良い方にも、悪い方にも変えることになる。

 ──というのが、追放後、ベアトリスが苦難の中で学んだ教訓だ。

(ここは他でもない自分のために、非を認めましょう)
 
 ベアトリスは静かに深呼吸をした後、深々と頭を下げた。

「セレーナ、今まで本当にごめんなさい」

「えっ……」