【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

「こうも逮捕に手こずるとは予想外だった。今度はどんな目に遭うか……彼女が心配でならない」

「そこで、犯人が見つかるまでの間、容姿の似ている私を身代わりにする計画を思いついた、ということですね?」

「あぁ、そうだ」

 この冷徹無慈悲なフェルナンのことだ。

 罪人のベアトリスなら最悪、命を落としても構わない。(おとり)にして犯人逮捕に踏み切ろう、とでも考えているに違いない。

「セレーナは、この身代わり計画に反対しているが、すでに公務にも支障が出始めている。来月には視察と大会議のため、共にヘインズ公爵領へ向かわねばならんのだが……今の彼女には厳しいだろう」

「命を狙われている状況で厳重警備の王宮を出るなんて、それこそ自殺行為ですものね」

「その通り。そこでお前の出番という訳だ。暗殺者が姿を現せば、大いなる逮捕のチャンスとなる。なにも起きなかったとしても、無事に視察を完遂できれば上出来だ」

(やっぱり私を囮にするつもりなのね! なんて酷い奴なのかしら!)
 
 フェルナンへの怒りが再燃した時、ノックとほぼ同時に、ひとりの女性が慌てて部屋に入ってきた。