ほほ笑むベアトリスと対照的に、バッカスは顔をくしゃくしゃにしてむせび泣いた。
「そんな……たった、それだけのことで……」
たしかに、彼からしてみれば、些細な言葉だったのかもしれない。
けれどベアトリスは、大きな気付きと勇気を得られた。
誰に告げる訳でもなく、自分自身に言い聞かせるようにベアトリスは呟いた。
「たった一言で傷つくこともあれば、逆に救われることもある。──言葉って、本当に大切ね」
昔の自分は、そんな当たり前のことすら知らなかった。
だから、他者への感謝や謝罪をおろそかにして、結果的に人徳を失った。
(でも、これからは違う。私は変わりたい。いや、変わってみせる)
心の中でひっそり決意していると、ふいにバッカスが立ち上がった。
「あまり長居しちゃいけんし、わしはそろそろ行くとするかの。そこの騎士さん、面会を許してくれてありがとう。それじゃあ、嬢ちゃん、ゆっくり休むんじゃぞ」
にっこり微笑んで、バッカスは部屋を出ていった。
てっきり監視役のユーリスも一緒に立ち去るものと思っていたが、彼はこちらに歩み寄り、椅子に腰掛ける。
「そんな……たった、それだけのことで……」
たしかに、彼からしてみれば、些細な言葉だったのかもしれない。
けれどベアトリスは、大きな気付きと勇気を得られた。
誰に告げる訳でもなく、自分自身に言い聞かせるようにベアトリスは呟いた。
「たった一言で傷つくこともあれば、逆に救われることもある。──言葉って、本当に大切ね」
昔の自分は、そんな当たり前のことすら知らなかった。
だから、他者への感謝や謝罪をおろそかにして、結果的に人徳を失った。
(でも、これからは違う。私は変わりたい。いや、変わってみせる)
心の中でひっそり決意していると、ふいにバッカスが立ち上がった。
「あまり長居しちゃいけんし、わしはそろそろ行くとするかの。そこの騎士さん、面会を許してくれてありがとう。それじゃあ、嬢ちゃん、ゆっくり休むんじゃぞ」
にっこり微笑んで、バッカスは部屋を出ていった。
てっきり監視役のユーリスも一緒に立ち去るものと思っていたが、彼はこちらに歩み寄り、椅子に腰掛ける。



