次に坑道の出入り口を見れば、そこは土砂で完全に埋まっていた。
ユーリスが助けに来てくれなければ、今頃ベアトリスたちは生き埋めになっていただろう。
死と隣り合わせの恐怖と無事に生還できた安堵感が、今になって一気に襲ってきた。
「君は本当に無茶をする人だな。助けが間に合わなかったら、どうするつもりで……って……えっ?」
「こわ、こわかった……死ぬって、思った……」
涙が勝手にあふれ、身体が小刻みに震えて、気づけばベアトリスはユーリスの胸にしがみついて泣いていた。
とうに限界を超えていた心身は、感情の爆発によって最後の力を使い果たしたらしい。
手足から力がごっそり抜けて、視界が暗くなっていく。
「ベアトリス! おい、誰か! 早く医者か聖女を呼べ!」
ぐらりと傾いた身体を、ユーリスがとっさに抱き留めて叫ぶ。
彼の必死な様子を見ながら、ベアトリスは『変なの』とぼんやり思った。
(私のことが、嫌いなくせに……)
聖女見習いに腕を折られそうになった時も、最初の地震で家具の下敷きになりかけた時も。そして今回の脱出の時も、ユーリスは当たり前のようにベアトリスを庇って守り、命がけで助けてくれる。
(そういえば、ユーリスって昔から、無愛想だけど優しい人、なのよね)
母の葬儀の日、ユーリスが傘を差し出してくれたのに……。
セレーナへの怒りと憎しみを抑えきれず、苛立ち紛れにその手を払いのけてしまった。
ユーリスが助けに来てくれなければ、今頃ベアトリスたちは生き埋めになっていただろう。
死と隣り合わせの恐怖と無事に生還できた安堵感が、今になって一気に襲ってきた。
「君は本当に無茶をする人だな。助けが間に合わなかったら、どうするつもりで……って……えっ?」
「こわ、こわかった……死ぬって、思った……」
涙が勝手にあふれ、身体が小刻みに震えて、気づけばベアトリスはユーリスの胸にしがみついて泣いていた。
とうに限界を超えていた心身は、感情の爆発によって最後の力を使い果たしたらしい。
手足から力がごっそり抜けて、視界が暗くなっていく。
「ベアトリス! おい、誰か! 早く医者か聖女を呼べ!」
ぐらりと傾いた身体を、ユーリスがとっさに抱き留めて叫ぶ。
彼の必死な様子を見ながら、ベアトリスは『変なの』とぼんやり思った。
(私のことが、嫌いなくせに……)
聖女見習いに腕を折られそうになった時も、最初の地震で家具の下敷きになりかけた時も。そして今回の脱出の時も、ユーリスは当たり前のようにベアトリスを庇って守り、命がけで助けてくれる。
(そういえば、ユーリスって昔から、無愛想だけど優しい人、なのよね)
母の葬儀の日、ユーリスが傘を差し出してくれたのに……。
セレーナへの怒りと憎しみを抑えきれず、苛立ち紛れにその手を払いのけてしまった。



