ベアトリスが心を奮い立たせていると、背後から「馬鹿じゃないの」という罵りが聞こえてきた。
例の聖女見習いの少女だ。
「偽善者アピール? 今更、善人ぶって、ほんとキモいんですけど」
ベアトリスは冷ややかな目で彼女らを見ると、心底失望して言い放った。
「あの時、不合格にしておいて正解だったわ。貴女は一生、見習いやってなさい!」
「なっ……!」
絶句する少女を置いて、ベアトリスは颯爽と駆けだした。
バリアとともに身体強化の聖魔法をかけた体はいつもより軽く、足場の悪い坑道を難なく走り抜けていく。
しばらくすると、前方にうずくまる人の姿が見えた。
「バッカス!」
駆け寄って助け起こすと、ぐったり横たわっていたバッカスが薄く目を開いた。
「おじょう……ちゃん……? どうして、ここに……」
「助けに来たわ。もう大丈夫よ。さあ、早くここを出ましょう」
「この足じゃあ、無理じゃ……どうせ、老い先短い命……わしのことはいいから、早く逃げなさい」
「嫌よ」
そう言ってベアトリスはバッカスを背負い、再び駆けだした。
華奢な少女の力強い走りに、背後から「す、すごいな……」と息をのむ気配が伝わってくる。
「私は元聖女なのよ。これくらい余裕だわ」
バッカスを安心させるため口ではそう言ったが、実際のところ、ベアトリスの体力と神聖力はほとんど限界に近かった。
例の聖女見習いの少女だ。
「偽善者アピール? 今更、善人ぶって、ほんとキモいんですけど」
ベアトリスは冷ややかな目で彼女らを見ると、心底失望して言い放った。
「あの時、不合格にしておいて正解だったわ。貴女は一生、見習いやってなさい!」
「なっ……!」
絶句する少女を置いて、ベアトリスは颯爽と駆けだした。
バリアとともに身体強化の聖魔法をかけた体はいつもより軽く、足場の悪い坑道を難なく走り抜けていく。
しばらくすると、前方にうずくまる人の姿が見えた。
「バッカス!」
駆け寄って助け起こすと、ぐったり横たわっていたバッカスが薄く目を開いた。
「おじょう……ちゃん……? どうして、ここに……」
「助けに来たわ。もう大丈夫よ。さあ、早くここを出ましょう」
「この足じゃあ、無理じゃ……どうせ、老い先短い命……わしのことはいいから、早く逃げなさい」
「嫌よ」
そう言ってベアトリスはバッカスを背負い、再び駆けだした。
華奢な少女の力強い走りに、背後から「す、すごいな……」と息をのむ気配が伝わってくる。
「私は元聖女なのよ。これくらい余裕だわ」
バッカスを安心させるため口ではそう言ったが、実際のところ、ベアトリスの体力と神聖力はほとんど限界に近かった。



