【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

 ベアトリスは「頑張ります」とほほ笑みながら、内心「やり過ぎた……」と少し反省していた。

 侍女マリアの罪を問い詰めた場面。自供させようとするあまり、セレーナの演技が少々おろそかになってしまっていた。

(バレなかったから良かったものの、危ないところだったわ)

「セレーナにも(したた)かな一面があって安心したわ。今の貴女なら、王太子妃になっても、どうにかやれるでしょう」

 王妃様はすっかりご満悦でセレーナの皮を被ったベアトリスを褒めちぎる。

(身代わりが終わったら大変なことになりそうね)

 今回はなんとか(しの)げたが、根本的な解決には至っていない。

 相変わらず『はい……すみません……』としか言えないセレーナに戻った時、再び婚約破棄騒動が勃発するんじゃないかしら?と思ったが、後は野となれ山となれ。

 今後の嫁姑関係については、セレーナ本人が頑張るべきことだ。

 場が和やかな空気に包まれたその時、部屋に慌ただしくポールが入ってきた。

「お話中、大変失礼いたします──!! 至急お伝えしたいことがあり、参上いたしました」

「報告なさい」

 王妃が促すと、ポールは一拍おいて、重々しく告げた。

「先ほど、セレーナ様のお命を狙っていた真犯人が見つかりました」