これまで読んだ恋愛小説の知識を総動員して、相手の同情心をかき立てる、憐れでいじらしい女性を必死に演じる。
シクシク、シクシク…………。
静かな空間に、ベアトリスのすすり泣き(真似)が響く。
しかし、相手は鉄の女ルイザ王妃。
泣き続けるベアトリスに慰めの言葉ひとつかけてくれない。
(あぁ、ダメだぁ~。やっぱり王妃に泣き落としは通用しないわぁ~)
任務失敗。私は再び大鉱山送りなんだわと、半ば諦めかけたその時──。
「顔をお上げなさい、みっともない」
ふいに、王妃のそんな声が聞こえてきた。
ベアトリスは驚き、ハンカチで目尻を押さえながら顔を上げる。
王妃は「仕方ないわね」と深く溜息をついた。
「……もう少し、様子を見ることにします」
「と、いうことは……」
「はぁ、察しの悪い子ね。破談の件は一旦保留、これからも励みなさい」
「王妃様……!」
「母上、ありがとうございます!」
喜びを露わに破顔する息子を、王妃は恨めしげに睨んだ。
シクシク、シクシク…………。
静かな空間に、ベアトリスのすすり泣き(真似)が響く。
しかし、相手は鉄の女ルイザ王妃。
泣き続けるベアトリスに慰めの言葉ひとつかけてくれない。
(あぁ、ダメだぁ~。やっぱり王妃に泣き落としは通用しないわぁ~)
任務失敗。私は再び大鉱山送りなんだわと、半ば諦めかけたその時──。
「顔をお上げなさい、みっともない」
ふいに、王妃のそんな声が聞こえてきた。
ベアトリスは驚き、ハンカチで目尻を押さえながら顔を上げる。
王妃は「仕方ないわね」と深く溜息をついた。
「……もう少し、様子を見ることにします」
「と、いうことは……」
「はぁ、察しの悪い子ね。破談の件は一旦保留、これからも励みなさい」
「王妃様……!」
「母上、ありがとうございます!」
喜びを露わに破顔する息子を、王妃は恨めしげに睨んだ。



