【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

 王妃を疑う言葉が喉まで出かかったが、もちろん迂闊(うかつ)に発言はしなかった。
 
 いくらセレーナを嫁として認めていないからといって、正々堂々とした王妃が、こんなまどろっこしくて卑怯な手段を講じるとは考えにくい。
 
 口を噤み思案していると、王妃が勝ち誇った笑みを浮かべた。

「では約束どおり、貴女とフェルナンの関係は終わりですわね」

「そんな……! あんまりです、母上! セレーナは立派に犯人を見つけたでしょう!」

「あれは実行犯。黒幕が野放しじゃあ、約束が果たされたとは言えませんわ」

「…………その黒幕というのは、実は母上なんじゃないですか?」

「なんですって?」

 王妃が不愉快そうに片眉を跳ねさせるが、フェルナンは構わず続けた。

「母上は初対面の時からセレーナを嫌っていましたよね? わざと事件を起こし、短期間で真犯人を捕まえろという無理難題をふっかけ、破談の口実にした。違いますか?」

 王妃がなにも言わず押し黙る。いや、言わずではなく、言えないのだろう。
 
 ……きっと、感情を抑えるのに精一杯で。