深々とお辞儀をするマリアに見送られ、ベアトリスは浴室へ向かった。
ゆったりお湯に浸かりながら、耳を澄ませる。
パタン──と扉の閉る音がした後、辺りはしんと静かになった。
(よし、出ていったわね)
ベアトリスは身体をさっと拭き、急いで夜着を身につけて部屋に戻った。化粧台の上に置いたはずの物が無くなっていることを確認し、ニンマリと笑う。
すぐさま寝室に防音の聖魔法をかけ、次いで化粧台の鏡に触れて「鏡よ鏡、かの漆黒の騎士を呼びたまえ」と詠唱する。
すると、鏡面が海のように波打ち、ほどなくしてユーリスの姿が浮かび上がった。
この化粧台の鏡は、彼に持たせた懐中時計型の手鏡と繋がっており、こうして聖魔法を使うことでいつでも連絡が取れるようになっている。
「どうかしましたか?」
「実は、すぐにお願いしたいことがあって連絡したの。今ひとり?」
「はい、ひとりです。そちらに伺いますか?」
「いいえ、来なくて大丈夫よ。遅くに申し訳ないんだけど、頼み事があるの」
ベアトリスが軽く事情を説明すると、ユーリスは心得たとばかりに頷いた。
ゆったりお湯に浸かりながら、耳を澄ませる。
パタン──と扉の閉る音がした後、辺りはしんと静かになった。
(よし、出ていったわね)
ベアトリスは身体をさっと拭き、急いで夜着を身につけて部屋に戻った。化粧台の上に置いたはずの物が無くなっていることを確認し、ニンマリと笑う。
すぐさま寝室に防音の聖魔法をかけ、次いで化粧台の鏡に触れて「鏡よ鏡、かの漆黒の騎士を呼びたまえ」と詠唱する。
すると、鏡面が海のように波打ち、ほどなくしてユーリスの姿が浮かび上がった。
この化粧台の鏡は、彼に持たせた懐中時計型の手鏡と繋がっており、こうして聖魔法を使うことでいつでも連絡が取れるようになっている。
「どうかしましたか?」
「実は、すぐにお願いしたいことがあって連絡したの。今ひとり?」
「はい、ひとりです。そちらに伺いますか?」
「いいえ、来なくて大丈夫よ。遅くに申し訳ないんだけど、頼み事があるの」
ベアトリスが軽く事情を説明すると、ユーリスは心得たとばかりに頷いた。



