【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!

 王妃との会談から時は遡り、期限の二日前──。

 その日も朝から晩までパーティを開き疑わしい人物を探したが、ベアトリスに危害を与えようとする者は現れず。これといって怪しい動きをする人も見当たらない。

(まずいわ……このままじゃ鉱山へ逆戻り……)

 部屋でぶるりと身体を震わせると、侍女が心配そうに尋ねてきた。

「セレーナ様、どうかなさいましたか?」

「あっ……その、少し疲れてしまって……」

「では今夜は、身の回りのお世話を私がお手伝いいたしましょうか?」

「ええ、ありがとう……お願いするわ」

 セレーナはいつも身の回りのことは自分でやっていたようだが、一日くらい侍女の手を借りても良いだろう。
 
 テキパキと着替えを手伝ってくれる侍女の顔に見覚えがなくて、ベアトリスは「あら? 貴女は……?」と尋ねた。
 
 すると、新顔の侍女が慌てて頭を下げる。

「あっ、申し遅れました。わたくしマリアと申します。本日は定例会のため、臨時でセレーナ様の身の回りのお世話をさせていただきます」