セレーナは教育係に軽く注意されるたび「すみません……」と言って泣き出し、一向に王妃教育は進まない。
さらに毒虫事件以降、「誰かに見られている気がする」や「窓の外に人影があった」などと言い、過剰に怯えて公務も欠席しがちになってしまった。
王太子妃になれば、今以上の過酷な日々が待っている。
なにを言われても笑顔を絶やさず毅然と振る舞う。
王族とは、そういったある種の図太さが要求される役目である。
(図太さでいえば、ベアトリスの方が適任だったわね。まぁ、あれはあれで、かわいげのない娘だったけれど)
とにかく、気弱なセレーナに未来の王妃の役目が務まるとは、到底思えなかった。
(このままでは、フェルナンも、そしてなによりセレーナ自身も不幸だわ。わたくしが悪役になって、すべてを終わらせてあげなければ)
そして迎えた期限の日。
王妃はセレーナとフェルナンを自室に呼びつけた。
「それでは約束を果たして頂戴」
「はい、王妃様」
てっきり「すみません、無理でした……」という返答を予想していた王妃は、意外な返事に面食らう。
絶句する王妃の前で、セレーナは騎士たちに目配せして「彼女をここへ」と命じた。
(まさか、本当に犯人を捕まえたというの……?)
一旦退室した騎士が、ひとりの女性を連れて戻ってくる。
驚愕する王妃に、セレーナは別人かと思うほど毅然とした態度で告げた。
「この者が、毒虫事件の犯人です」
さらに毒虫事件以降、「誰かに見られている気がする」や「窓の外に人影があった」などと言い、過剰に怯えて公務も欠席しがちになってしまった。
王太子妃になれば、今以上の過酷な日々が待っている。
なにを言われても笑顔を絶やさず毅然と振る舞う。
王族とは、そういったある種の図太さが要求される役目である。
(図太さでいえば、ベアトリスの方が適任だったわね。まぁ、あれはあれで、かわいげのない娘だったけれど)
とにかく、気弱なセレーナに未来の王妃の役目が務まるとは、到底思えなかった。
(このままでは、フェルナンも、そしてなによりセレーナ自身も不幸だわ。わたくしが悪役になって、すべてを終わらせてあげなければ)
そして迎えた期限の日。
王妃はセレーナとフェルナンを自室に呼びつけた。
「それでは約束を果たして頂戴」
「はい、王妃様」
てっきり「すみません、無理でした……」という返答を予想していた王妃は、意外な返事に面食らう。
絶句する王妃の前で、セレーナは騎士たちに目配せして「彼女をここへ」と命じた。
(まさか、本当に犯人を捕まえたというの……?)
一旦退室した騎士が、ひとりの女性を連れて戻ってくる。
驚愕する王妃に、セレーナは別人かと思うほど毅然とした態度で告げた。
「この者が、毒虫事件の犯人です」



