「オーレリア嬢が聖女に選ばれていたら、レオは私が引き抜くのだがな」
「嫌ですわ、おじいさま。レオは私の執事です。いくらおじいさまと言えど、渡しません」
「私の主人はお嬢様ただお1人です。お諦めください」
「はっはっは、年々絆が強くなっているな。子供のうちに引き抜いておけばよかったよ」
「もう、おじいさま!」
ティーカップを両手で持って、おじいさまをじとっと見る。
そりゃあレオはハイスペックだし、おじいさまが気に入るのも分かるけど!
おじいさまはしわを作って笑うと、理知的な瞳で私を見た。
「半分は冗談だ。だがな、レオを私に預けるのは悪い選択ではないぞ?レオは一介の執事に留めておく器ではない」
「それは…私も、そう思いますけれど」
身を引いて、後ろに立っているレオを見ると、相変わらずの無表情で目を伏せている。
話の当事者なのに、まるで知らん顔。



