爽やか王子様が、今日も私を口説いてくる。

「美月がなんで落ちないのかそろそろ不思議かも。まあ美月のタイプじゃないなーとは思ってたし、簡単にくれてやるもんかとは思うけど」

本気で迷惑ならそろそろ私、奴から引き離すけど、なんて真顔で言ってくるりりに苦笑した。

「……確かにタイプじゃない。チャラい感じがするし、ずっと余裕そうにしてるのもムカつくし」


(でも…)

今日の、水族館での穏やかな顔とか、何気ない優しさとか。そういうのがちょっと、いい人だな、と思っただけ。

あとは…


「………って」


「なに?ごめんもっかい言って?」

ぼそっと呟いた私の言葉を聞き取れなかったらしく、顔を近づけてきたりりに、私はほぼ無意識で呟く。


「………可愛いって、言われたことなくて…新鮮でつい、ちょっと印象が変わった」


って、何言ってるの私!?これじゃあまるで可愛いって言われて浮かれてすぐ好きになったヤツみたいじゃない!?

「べっ、別にそれ以外ないから!好きじゃない、あんな軽い人!」

「あれれーそっかぁ?」

ニマニマ笑うりりに何となく腹が立って口にマシュマロを詰め込んだ。

そういうりりはどうなわけ!?なんて返せばんえ!?と顔を真っ赤にした。

「べ、別になんもなかったよー」

「はい嘘。なんかあったに決まってるでしょ。合流した時今までで1番顔赤かったわよ」

「うそ!?」

「午後は聞かなかったけど今日は全部聞くまで寝ないから安心して?」


ニヤッと笑った私に、りりは恥ずかしそうにそっぽを向きながらチョコを口にした。