爽やか王子様が、今日も私を口説いてくる。

いそいそとベッド近くのテーブルにお菓子を並べ始め、冷蔵庫からジュースを取り出し始める。

この時間にこれはかなり罪深い。
普段だったらやらないけれど、今日は修学旅行。多少太って帰っても仕方ないで済ませられる。

沖縄限定のチョコ菓子に手を伸ばし、口の中に放り込む。

「あっ、これ美味しい」

「どれどれ?…ほんとだ!美味しーい」

あれこれつまみつつ、明日のクラス行動について話す。明日は午前中に動物園、ご飯はBBQ、午後にビーチ。
しかもビーチは他のクラスの多くが午前中に使うらしく、私たちとあと1クラスぐらいしか午後にいないそうだ。

「ちゃんとこの前選んだ水着持ってきたよね?」

「それ以外ないから仕方なくね」

「私が選んであげたんだから感謝してよね!?あんなの似合うの美月だけだから見れるのちょー楽しみにしてたんだから!」

「最初にビキニ選んだのはどこのどいつだったっけ?」

「……それはごめんてば」


あれもかなり恥ずかしいから、ちゃんと上に着るものを持ってきたけど。露出は少ないけど、水着っていう時点で恥ずかしい。
まあ女子専用プライベートビーチがあるらしいからいいけど。




「それで美月はついに一条くんのことを意識するようになったの?」

「ごほっ」

飲んでいたシークワーサージュースを思い切り吹き出しそうになり、慌てて口を抑えた。