爽やか王子様が、今日も私を口説いてくる。

「あーいいお湯だったー」

大浴場から部屋に戻るエレベーターの中で、隣に立つりりがぐいーっと背伸びをした。
私は思わず微笑む。


「いつもより肌が綺麗になったんじゃない?」

「えっほんと?…たしかに!なんかもちもちしてる!えーこれが俗に言う玉のような肌!?」

「……もともときれいでしょ、りりは」


よく分からないがテンションが高いりりにとりあえずつっこんどいた。事実だし。

沖縄定番の某ビールのTシャツを着て、下はゆるっとしたハーフパンツ。りりのTシャツはピンク、私は紫だ。
意外と可愛いので帰ってからは部屋着にしよう、と決めた。



「でもほんとに露天風呂広かったし空がきれいだったよね!」

「そうね。案外人もいなかったからのびのびできて良かった」

「あーうちのクラスの女子たち大浴場より部屋のがいいって言ってる人ばっかりだったからねー」


クラスが一緒になってまだあまり日が経ってないから、抵抗感があるのかもね、なんて続けたりりに相槌を打つ。

たしかにまだ裸の仲とは言えない距離感がクラスにはあるし、女子にしか分からない事情なんかもあるのだろう。


そこでりりがニヤっと笑う。

「でも久しぶりに見た美月の身体、相変わらず発育がよろしかったねえ」

「りり、ぶっ叩いていい?」

「ごめんてば!?」

チーン、とエレベーターが開く。と、私はそこで気がついた。点滅している6の数字。……私たちの部屋は7階だ。


「ちょっ、りり、ここ6階…」

慌てたが既に開いてしまう扉。そこに、人…しかも見知った顔があった。