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よし。
数学の課題も集めて田中先生に持っていったし、私も早く帰ろうっと。

職員室から自分の教室へ戻る道中、私は1人そんなことを考えながら、廊下を歩いていた。

ちなみに午後の最初の授業終了後、職員室を訪れたのだが…。

「あぁ、すまんな。悪いが放課後、机に置いといてくれ」と頼まれた私。

まぁ、今日はテスト前で部活もないし…。
放課後、暇だったからいいけどね。

本当なら、この時間帯は、凪音くんが所属しているバレー部の練習をこっそり眺める…所謂、推し活時間。

しかし、来週から期末テストの期間へと突入することもあり、どの部活も今週いっぱいは休み。

ハァ…。凪音くんのカッコいい部活姿を見られないのは残念だけど、私もさすがに帰ってテスト勉強しないとだし…。

内心、深いため息をつき、教室の入口まで戻ってきた私がソっと扉に手をかけた時。

「なぁ!ぶっちゃけ、うちのクラスの女子だと誰推し?俺は、三浦かな〜。顔、可愛いじゃん?」

ピタリ。

教室内から聞こえてきた話し声に思わず、動きが止まってしまう。