ニヤッと不敵に微笑んだ胡桃ちゃんがそんな発言をするものだから私はポッと頬を赤らめる。

「胡桃ちゃん…!前も言ったけど、凪音くんは推しであって好きとかそういうのじゃ…。そ、それに私が凪音くんと付き合うとか恐れ多い…」

「あのさ〜。芽結にとって筧は推しかもしれないけど、私からしたらあんたたちは、普通のクラスメイト。付き合ったって何の問題もないじゃん。恐れ多いとか言うけどさ、要は芽結が勝手に線を引いちゃってんのよ」

「……」

ジッと私の瞳を見つめて、正論を言ってのける彼女に私はつい押し黙ってしまった。

確かに、胡桃ちゃんの言ってることは正しい。

私の悪い癖だ。
勝手に自分で壁を作って、傷つかないようにからにこもる。

そもそも、私みたいな地味女が凪音くんみたいにキラキラしてる人と釣り合いが取れるとは思えない。

「芽結、あんたは可愛いし、頭もいいし、性格も最高な私の自慢の友達なんだからもっと自信持って!それにしても、何でそんなに自己肯定感低いのかな?私と初めて会った時から、そんな感じだったけど…」

不思議そうに首を傾げる胡桃ちゃんに私は苦笑いを浮かべた。