狼上司と秘密の関係

「そんなのどうにでもなるって! 珍しく午前中は体験入ってないんだし」
梨江がグイグイお酒を飲みすすめる。

「そうだっけ」
自分のことばかりで仕事のスケジュールはすっかり忘れてしまっていた。
午前中に体験が入っていないからこそ、ふたりはこうして来てくれたみたいだ。

「それなら、遠慮なく」
千明はすでにひとくち飲んだチューハイの缶を片手にあげて乾杯をしたのだった。