人生は虹色〜兄が僕に残した言葉〜

「なるほどねぇ。

俺も仁くんと一緒の年頃の頃は、よく同じように将来について悩んだっけな。

何になりたいとか、どんな仕事をしたいとか!でもな、自分の将来の夢なんてな、すぐに見つかるもんじゃないからな!

ゆっくりでいいんだよ!自分が普段からしていて楽しいなぁ、嬉しいなぁって思えるようなことを探したら。

自分が嫌いなことをする仕事なんて、絶対に嫌なんだからさぁ。

まずは自分が好きなこと、得意なこと、何のためにするのかを見つける。

そっから始めたらどう?」



何だか言葉に力があって、僕はじっくりと昌典くんの話を聞き入ってしまっていた。



「自分の好きなこと、得意なこと、何のためにするのかかぁー。全然、考えもしなかったよ」



「それに俺に聞かんでも身近な人に参考になる人がおるがな!」



昌典くんは隣に住んでいる兄ちゃんの家を見上げた。



「え?」




「お兄ちゃん!若いのに立派な家建てて、三人も子どもがいてさー。何でも教えてくれるじゃろ?」



「え?……まぁ」




「じゃけん、そう深く考えず、ゆっくり見つけんちゃい。な?次、回らんと日が暮れるけん、ほなな」



「あっうん、ありがと」



僕に検針票を渡し、小走りで隣の家に向かう昌典くんを目で追った。



何だか手足に課せられた重荷が、

少しだけ軽くなった感じがして、

気が少しばかり楽になる。