僕は雨が嫌いだった。



じめじめした空気に、

ずぶ濡れになる衣類。



傘を忘れた時に限って、

急に降り出す。



ホントついてない……。



水溜りなんてもっと最悪だ。



ただ歩道を歩いているだけなのに、

車の水はね被害にあうんだから。



ホントうんざりする……。



雨が降った水溜りには、

悪魔が宿っている。



だから、僕は雨が嫌いだ。



理不尽な理由だけど、

僕は雨を好きになんて、

なれなかったんだ。



でもね、

空に映る虹を見たら、

そんなことなんて、

いつの間にか忘れてしまっている。



虹を見たら、なんだか

幸せな気持ちになれるから。