「ちょっと理乃!下ろして!」
軽く持ち上げられて、理乃の膝の上に座らされる。体温が直に触れ合って、冷めかけてきていた熱がぶり返すのを感じた。
「なんで?勉強するんでしょ?ほら、やっちゃいなよ」
……意地悪。ほら、こんなに楽しそうに口角を上げて。目を細めて。
不覚にもそんな顔が似合うからドキリとしてしまったのだけれど。
「っ、分かった」
ここまで来たら、理乃に抗ってやろうと私の中の対抗意識が働いた。
ガリガリとペンを進めて問題を解いていく。
だけど英語が苦手な私。早速壁にぶち当たった。
「り、理乃。分かんない……」
「んー?どこ?」
肩の後ろからそうっと覗き込んでくる理乃。甘い吐息が耳にかかって、思わず体が震えた。



