「……多分、理乃が私のことを好きな気持ちより私が理乃のことを好きな気持ちの方が大きいよ?」
「それは絶対ない。世界がなくなっても有り得ない」
俺が紗羅のこと、どれだけ好きだと思ってんの。時間も、思いの強さも、どの人間にも負けない自信がある。
「ふふ、じゃあ私も、理乃と同じらい理乃のこと好きだよ」
……紗羅なら勝たれることはないけど、同点ぐらいでもいいかもしれない。
紗羅の頭を撫でて時計を見ると、もう12時を回っていて、頃合だな。と、ポケットを探る。
「紗羅」
「んー?」
「はい。誕生日おめでとう」
白い箱をパカッとあげて差し出したのは指輪。紗羅に似合う真珠が埋め込まれている。
これを買うためにここ最近は仕事をめちゃくちゃ頑張った。



