……私はずっと、頑張らなきゃ。

『こんな事もできないなんて、将来心配されるんじゃないの?』

「……っ。」

 ……ダメだ、思い出しちゃ。

 思い出すものじゃないし、もう過去なんだから。

 そんな私は、谺君の視線になんて気付かない。

 傷だらけの手を握り締めて、ふるふると首を左右に振って自分を戒めた。

 谺君の目の前で、泣くわけにいかないもんね……っ。

 年下が居るとこで弱音なんて、みっともないんだから。