「うん、言った……。だけどね、なんだかすっきりしないんだ。何でだろ……。」

「そうなんだ……うーん、どうしてだろう?」

 自分でもこの気持ちが分からないのなら、奈來ちゃんは尚更分からないはず。

 それなのに自分のことのように悩んでくれる彼女に、愛しさと同時に申し訳なさが込み上げてきた。

 自分の気持ちの問題なんだから、自分で解決したほうがいいよね……。

「まぁ、分かんなくっても困らないしっ! 気にしなければいい話だよねっ。」

「……そうかもしれないけど、帆乃ちゃん、泉玖君と喧嘩したままでいいの?」

「うっ……確かに……。」

 厳密にいえば喧嘩ではないだろうけど、喧嘩だとまとめてしまったほうが分かりやすい。

 そして、正論を奈來ちゃんにぶつけられた事で納得せざるを得なかった。

 うぅっ……と悩む私に、奈來ちゃんは相変わらずのふわふわヘアを靡かせて眉の端を下げる。

「もちろん、無理して仲直りしてほしいだなんて思ってないけど……ただ、帆乃ちゃんと泉玖君はこのままでいいのかなって思って。」