「あら、紗梛さん。私のことはお義母さんでいいのよ? 士貴のお嫁さんになるのだからおかしくないわ」

「え、ですが……」

「そうだな。では、私のこともお義父さんと呼んでほしい」


 えっ……そ、そんな!


「ふふ、まぁゆっくり呼んでくれればいいわよ。そうだわ、明日はゆっくり二人でお茶会しましょう。夜会は明後日だものね」

「え、いいのですか?」

「もちろんよ。そうだ、呉服商も呼んで着物を仕立てましょうか……楽しみだわ」


 郁世様は思いついたように話をした。それに頷いていいのか分からず戸惑っていると、士貴様に微笑まれたので郁世様の言葉に頷いた。

 それから今日は疲れただろうと晩餐まで用意してくださった部屋で休むことになった。