「はぁ…」




 ゆるく組んだ腕を枕にするように、机に寝そべって、指の間でシャーペンを転がした。

 右にななめった視界の端に、窓の向こうの青い空が見える。

 カラカラと音を立てて首を回す扇風機から、涼しい風が吹いてきて、前髪が左に揺れた。




「幸村くん…好きな子と、付き合ったのかな…」




 幸村くんに好きな女子がいるっていうのは、有名な話。

 私が中学時代に告白できなかったのは、みんなと同じように振られるのがわかりきっていたから。


 3年ではおなじクラスになれたのに、緊張しちゃってぜんぜん話せなかったし…。

 こんなにひきずるなら、やっぱり卒業式の日に好きって言っておけばよかった。


 そんなことを考えても、あとの祭りなんだけど。




 ♪テレレンテンテン


「あ…」