「くらえ、千秋(ちあき)ー!」


「うわっ!」


「こら、人に向けない!」




 公園の真ん中で花火を始めた私たちは、それぞれ男子と女子に別れて、ススキのように吹き出す花火をながめる。

 幸村(ゆきむら)くんに先っぽを向けた晴斗(はると)くんは、玲香(れいか)のお母さんに怒られていたけど。




「まったく、子どもねー。…あ、あたしの消えちゃった。新しいの取ってくるわね!」


「うん」




 ペットボトルの上の方を切り取って、簡易バケツとしたその中に花火を入れて、新しい花火を取りに行く玲香を見送る。

 じゃりじゃりと横の方で足音がしたから目を向けると、幸村くんが晴斗くんから逃げるようにこっちに来ていた。




「幸村くん…」


「あ、村雲(むらくも)