「なんだよそれー!っていうか千秋(ちあき)、やっぱり芽衣ちゃんのこと好きだったんだな!?」


「っ、うるせーな」


「あーあー、ずりーやつ!クールな顔したこじらせ純情ボーイのくせに!」


「うるせーって、晴斗!」




 晴斗くんは私たちの横を通り過ぎて、幸村くんと喧嘩をしに行く。

 男子2人で向こうに歩いて行ってしまうのをながめて、私と玲香は顔を見合わせた。




「「ぷっ」」


「なんだ?晴斗くんは」


「あなた鈍感ねぇ。恋よ恋、私たちの知らないところで青春があったの」


「そう!芽衣と幸村くんがね、付き合ったの」


「え、えっ、玲香!」




 そんな、わざわざ言い触らさなくても!

 恥ずかしいからやめてよ、と言う前に玲香は私から離れて、お父さんが持っていた花火セットをうばいとる。




「じゃ、お祝いの花火しようか!晴斗ー、幸村くーん!」


「も、もう…っ!」




 恥ずかしいのに。

 でも、付き合えたのは玲香のおかげだし、これくらい、いい…かな?