「こ、これ…本当に、夢じゃないんですか…?」
「夢じゃ、ない…と、思う」
「…っ!」
感極まったのか、なんなのか、「あ」と自分でもよくわからない声が出て、顔がぶわっと熱くなった。
「好き、です…幸村くん」
「…俺も、好きです」
「わ、私も、好きです…」
「俺も、好き」
あんなに言えなかった言葉が、信じられない気持ちを代弁するかのように、何回も出てくる。
お互いに、顔も見ないまま好き好きと言い合って、私は数えきれないほど気持ちを伝えたあとに、幸村くんの方を見た。
幸村くんの視線も、私に向く。
お互い、顔は真っ赤だった。
「ほ、ほんとに…?」
「たぶん、ほんと」
信じられなくて、目を合わせて。
見つめ合ってることに気づくと、お互いバッと視線をそらした。
幸村くんの手が、私の腕から離れる。



