【短】片想い、再会の時は奇跡のように



 心配してくれるやさしい声に、胸がきゅんとする。

 あぁ、好きだ、と思った瞬間、その言葉はするりと口から出てくれた。




「しゅきです」





 …あ、と心臓が止まる。

 お腹の奥が冷えて、汗がだらだらと吹き出した。




「え、いま、なんて…え?」


「~~っ…!!」




 幸村くんの戸惑った声に、涙がこみあげてきて、私は体を反転させた。

 カラン、と下駄を鳴らして走る。

 顔が熱い。泣きたい。告白なんてしなければよかった。




「あ、待って、村雲!」




 幸村くんに呼び止められても、ふり返らずに走る。

 でも、文化部の私と、運動部の幸村くんとじゃ大きな差があって当然で…ぱしっと、腕をつかまれた。




「いまの、…告、白?」


「…っ」




 恥ずかしくて、恥ずかしくて…うなずくことも、首を振ってごまかすこともできない。