【短】片想い、再会の時は奇跡のように



 息を飲んだ。

 心臓は、止まった気がする。

 木の葉のさざめく音が、右から左へ通り過ぎていって。


 “うれしかった”って。いま、幸村くんが、そう言ってくれた?




「あの、幸村くん…っ」


「…なに?」




 ふと、やさしい幸村くんなら、聞いてくれるかな、と思った。

 私の、告白。


 …心臓が、ばくばくしてる。

 上手く呼吸ができてるかも心配で。

 汗ばむ手をぎゅっと握りしめて、はくはくと、口を開け閉めした。




「あ、あの、私っ…」


「…うん」


「そのっ…」




 ぎゅっと目をつむって、ごくりと唾を飲む。


 声が、出ない。

 好きの一言が、言えない。

 告白するのって、こんなに緊張するんだ…。




「わ、わ、私っ…!」


「…大丈夫?…あ、そこ、自販機あるから、なんか飲む?」