「い、いや…っていうか、ごめん、こんなとこまで連れてきて」


「あ、いえ、大丈夫です!幸村くんは平気で…!…あ、いや、その…っ」




 あれ、私いま何を…!

 こんな言い方したら、幸村くんが好きだってバレちゃう…!?


 顔がかぁっと熱くなる。

 弁解しなきゃ、と焦って、いろいろ言葉を探した。




「ゆ、幸村くんには初めて会ったときから助けてもらってっ、いつもやさしくしてくれて感謝してるというかっ」


「…俺、やさしい?」


「やさしいですっ。幸村くんみたいな人もいるんだって知ってから私っ、男子がそんなに苦手じゃなくなって…!」


「そ、そっか」


「だから幸村くんだけは平気でっ、私、今日も会えてうれしくてっ、あ、いえ、その…っ!」




 あ~っ、何を言っても墓穴を掘ってる気がする…!




「…俺も、今日、村雲(むらくも)に会えて、うれしかった」


「!」