「…あいつと、なに、話してたの?」




 ドキッと、心臓が跳ねる。

 からからに乾いた喉から、「えっと…」と小さな声を絞り出した。




「告白、されて…」


「…そ、っか」




 どっくん、どっくん、という大きな心臓の音が、あたりにひびいていないか心配になる。


 私、何を喋ったらいいんだろう…?

 頭が熱くて、混乱して、真っ白になる…。




「…晴斗(はると)は、いいやつ――」


「――あ、あのっ、私、男子と2人きりになるの苦手でっ、助けてくれて、ありがとうございましたっ」


「え…」


「あ、ごめんなさい、何か言ってました…?」




 幸村(ゆきむら)くんの声が聞こえた気がする。

 私、また人の話を聞き逃しちゃったかな…。


 恐る恐る視線を上げると、幸村くんの目は、レンズの奥で丸くなっていた。