【短】片想い、再会の時は奇跡のように

 ゆ、幸村くんの前で、それに答えるのっ…!?


 私は顔に熱が集まっていくのを感じながら、「えっと…」と視線を泳がせる。




「い…い、いないっ…!」


「ふーん?」


「ひゃっほ~!」


「…」




 ぎゅっと目をつむって答えると、玲香が楽しそうな声を出した。


 耳まで、熱くなってる…。


 私はうすく目を開け、ペットボトルのふたを外して、ピーチティーをぐいっと飲んだ。

 甘く、さっぱりしたいつもの味が口の中に広がる。


 ふぅ、と息を吐きながら前を見ると、幸村くんと目が合って。

 だけど、バッと、慌てたように顔を(そむ)けられた。




「ねぇ芽衣、幸村くん絶対芽衣のこと好きだって…!」


「えぇっ!?」




 となりからささやかれた内容におどろきすぎて、大きな声が出ると、晴斗くんに「なになに?」と聞かれる。

 私はバッと口を押さえた。