幸村くんはビニール袋の中からピーチティーを取り出して、私に差し出す。

 もともとピーチティーは好きだけど、幸村くんから手渡されると倍うれしいな…!


 両手でペットボトルを受け取ると、幸村くんの手にちょっと触れてしまって、「あっ、ごめんね…!」とすぐに持つ場所をずらした。




「いや、こっちこそごめん」




 幸村くんはそう言ってすぐに手をひっこめる。

 それから、スポーツドリンクを取って、ビニール袋を玲香に押し付けた。




晴斗(はると)




 たぶん、彼の名前を読んだのだろう。

 幸村くんは甚兵衛の男子の元に移動して、私のそばから離れた。


 距離が開いて、ひと心地つく。


 ドキドキした…私、なにやってるんだろう…。




「…ねぇ、芽衣ってあのイケメンくんと仲良かったの?」