告白というものは、振られたら結構萎えるものだと思っている。

 だけれど、彼はその言葉を知らないらしい。

「折羽さん、これから一緒にお昼どう?」

「……遠慮しときます。人、待たせてるので。」

 度々そう声をかけてきたり。

「少しお話しない? 折羽さん……いや、香ちゃんに話したい事がいっぱいでさ。」

「……私これから用事があるので。」

 放課後になり帰ろうとした時に、そう誘ってきたり。

紗凪(すずな)に聞いたけど、文系苦手なんだってね? 僕、文系だから教えてあげられるよ!」

「……間に合ってます。」

 挙句の果てに、立川さんの名前まで出してきて呆れ返ってしまった。

 しかも、名前呼び早すぎるし……。

 距離の詰め方バグってない?なんて思うのは、きっと不可抗力だ。

 私が何度断っても、何度突き放しても、佐納さんはしつこく来る。

 いいって言ってるのに、どうしてこんなに執着してくるんだろうか……。

 そこまで好かれている? ……いやいや、だとしてもだ。

 負け確だと分かっているのに、わざわざ彼氏持ちの女にグイグイ来る意味が分からない。