翌日。

◯奏多の家・庭

小春[昨日はズル休みしてしまったけれど、今日は学校がある。奏多さんと、婚約……?してから初めての学校だ]


ドキドキワクワクしながら、奏多と学校に向かう。


小春「えっ、く、車!?」

奏多「うん、当たり前でしょ?可愛い小春ちゃんが誘拐されないように厳重な警備で行かなきゃね」

小春「あ、あはは……」
(本当すごいな……)

小春[そうそう、今更ながら私の家族は丸め込まれて同居を許してくれていたらしい。推しが目の前にいることで全く意識をしていなかった……]


小春[本当、推しって恐ろしいな]



戸惑いながらも車に乗り込んだ小春と、奏多。


学校に着くや否や、周りがキャーキャー騒いでいた。


奏多「ねぇ小春ちゃん、手繋ご?」

小春「ええっ……!!いいですけどっ……いいんですか!?あんまり広めない方が……」

奏多「大丈夫だよ、全国が知ってることなんだから」

小春「あっ……た、確かに」


仕方なく奏多と手を繋いで、車から降りてきた小春。


女子たちには睨まれて、男子からはすげーと声を上げられていた。


女子生徒1「本当にあんな平凡な女がカナト様と付き合うわけ?」

女子生徒2「同担拒否な挙句に推し女に取られるとか最悪!!カナトくんもカナトくんだよ!!」

男子生徒1「いや、単純にアイツ(小春)すごいな」

男子生徒2「それな。まあ小春のことだから優しさで落としたんだろうけど」

男子生徒3「小春普通に優しいもんな」


小春(私だって同担拒否だしって!醜い自分は抑えなきゃ!!)


ふぅーと息を吐いて正気を保つ小春。


奏多「小春ちゃん、僕教室の場所忘れちゃったから案内よろしくね」

小春「はい!任せてくたざい!」

奏多「あ、敬語やめないとキスするからね」

小春「ふぇ!?」
(き、キス!?是非ともしたい……!!じゃない!こんなところで無理無理!)

小春「わかりっ……わかった、よ、奏多くん」

奏多「……」
(え、やば可愛い無理しんどい俺死んじゃう可愛い可愛い推しが尊い)


奏多も奏多で禁断症状を起こす中、どうにか教室に辿り着く。



◯教室


葵「お、おはよ!小春」

小春「葵ちゃん!おはよ!」

葵「相変わらず、懐かれちゃってんのね」


ジーッとカナトを見つめる葵。


小春「あはは……」

奏多「おはよう、水沢さん(葵の苗字)」

葵「あ、おはようございます。」

奏多「お嫁さんの友達とは、仲良くしてないとね」


小春の方を見てはにかみ笑いする。


小春(はい大優勝です……)


涙を流しながら口元を抑える小春。