それから、基本的に放っておくと食べることを忘れて読書か製作か妄想に没頭するリーゼの口に、無理やり城のコックご自慢の焼きたてパンと、オムレツを突っ込んできたニーナは、昨日無理やりさせられた約束通り、エドヴィン王子の執務室へと足を運んだ。のだが……。
「で、殿下……?」
もしニーナが見ている景色を、遠くから見た人々であれば、こう思ったであろう。
「まあ、なんと仕事熱心で勤勉な殿下なのでしょう」
と。
机の上に大量の資料本を積み上げ、休むことなくペンを走らせる殿下。
その目には、熱がしっかり篭っており
「ああ、この目の人の仕事ならば信用できるだろう」
と思わせるだけの力があった。
ただし、その本がピンクや黄色といったパステルカラー、かつ男女の絡み絵が表紙でなければ。
「それは、蜜愛文庫……」
「ええ、おっしゃるとおりですわ。さすが私のソウルメイト」
いつの間にそんな大層なものになったんだ……とニーナは心で突っ込んだものの、今は話を綺麗に進めることに専念することに決めた。これまで何度突っ込んだのかわからん。
「殿下に、一体何をさせているのですか?」
「書き写しですわ」
「は?」
「蜜愛文庫の美しい濡れ場シーンを書き写させて、殿下の体に叩き込ませているのよ」
「で、殿下……?」
もしニーナが見ている景色を、遠くから見た人々であれば、こう思ったであろう。
「まあ、なんと仕事熱心で勤勉な殿下なのでしょう」
と。
机の上に大量の資料本を積み上げ、休むことなくペンを走らせる殿下。
その目には、熱がしっかり篭っており
「ああ、この目の人の仕事ならば信用できるだろう」
と思わせるだけの力があった。
ただし、その本がピンクや黄色といったパステルカラー、かつ男女の絡み絵が表紙でなければ。
「それは、蜜愛文庫……」
「ええ、おっしゃるとおりですわ。さすが私のソウルメイト」
いつの間にそんな大層なものになったんだ……とニーナは心で突っ込んだものの、今は話を綺麗に進めることに専念することに決めた。これまで何度突っ込んだのかわからん。
「殿下に、一体何をさせているのですか?」
「書き写しですわ」
「は?」
「蜜愛文庫の美しい濡れ場シーンを書き写させて、殿下の体に叩き込ませているのよ」



