リーゼは、ちょうどいいと思った。
まだまだ、推しカプに着せてみたい服はたくさんあったから、とにもかくにも布を仕入れたかった。
普段リーゼが着ているような、少し質の悪い生地は論外。
最高級の絹がやはり必須だということは、2人の香りが分かる距離でじっくり舐めるように観察をしたことで改めて実感した。
そのための、ちょっとしたお小遣い稼ぎも、せっかくなので久しぶりに行おうかとスケッチブックを開くと、ページのほとんどが文字とアレクサンドラのスケッチでびっしり黒くなっていた。
「さすがね、ニーナ」
「はい?」
「私が、買い出しするのが必要だとわかっての提案でしょう?」
「違います」
「え?」
ニーナが間髪入れずに即答するので、リーゼは少々困惑した。
買い出しでなければ、一体何をしに街に行くのか……。
リーゼが首を傾げると、ニーナは咳払いをしてからこう言った。
「リーゼ様には、明日、エドヴィン殿下と2人で、殿下の視察のサポートをしていただきたい、とのことです」
「無理」
脊椎反射で答えたリーゼだった。
「…………まあそう言うとは思ってましたが、念のために、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「私と推しの片割れが2人きりだなんて、申し訳なさすぎて岩が降ってきます」
「どこから岩降ってくるんです?山までだいぶ距離ありますけど」
「殿下の眩しさに、私の身が焼かれます。焦げます。真っ黒焦げです」
「人体発火をする能力を殿下がお持ちとは聞いたことがありませんが」
「それに何より、アレクサンドラ様に失礼極まりない愚行だわ!」
「その!アレクサンドラ様が!ご指名なんですよ!」
「…………指名?」
ニーナは、ごほん、と咳払いをすると、1枚のチケットを渡した。
「これは?」
「アレクサンドラ様からの伝言です。明日は、ここに殿下と視察に行ってきて欲しいそうです。リーゼ様に」
まだまだ、推しカプに着せてみたい服はたくさんあったから、とにもかくにも布を仕入れたかった。
普段リーゼが着ているような、少し質の悪い生地は論外。
最高級の絹がやはり必須だということは、2人の香りが分かる距離でじっくり舐めるように観察をしたことで改めて実感した。
そのための、ちょっとしたお小遣い稼ぎも、せっかくなので久しぶりに行おうかとスケッチブックを開くと、ページのほとんどが文字とアレクサンドラのスケッチでびっしり黒くなっていた。
「さすがね、ニーナ」
「はい?」
「私が、買い出しするのが必要だとわかっての提案でしょう?」
「違います」
「え?」
ニーナが間髪入れずに即答するので、リーゼは少々困惑した。
買い出しでなければ、一体何をしに街に行くのか……。
リーゼが首を傾げると、ニーナは咳払いをしてからこう言った。
「リーゼ様には、明日、エドヴィン殿下と2人で、殿下の視察のサポートをしていただきたい、とのことです」
「無理」
脊椎反射で答えたリーゼだった。
「…………まあそう言うとは思ってましたが、念のために、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「私と推しの片割れが2人きりだなんて、申し訳なさすぎて岩が降ってきます」
「どこから岩降ってくるんです?山までだいぶ距離ありますけど」
「殿下の眩しさに、私の身が焼かれます。焦げます。真っ黒焦げです」
「人体発火をする能力を殿下がお持ちとは聞いたことがありませんが」
「それに何より、アレクサンドラ様に失礼極まりない愚行だわ!」
「その!アレクサンドラ様が!ご指名なんですよ!」
「…………指名?」
ニーナは、ごほん、と咳払いをすると、1枚のチケットを渡した。
「これは?」
「アレクサンドラ様からの伝言です。明日は、ここに殿下と視察に行ってきて欲しいそうです。リーゼ様に」



