「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました

「あら、本当に美味しいわ」

 あまりにもエドヴィン王子がニーナの茶を絶賛するので、アレクサンドラも美しい屍状態から脱出して、美しいゾンビレベルまでには精神を無理やり回復させて、ニーナにお茶を要求した。
 正直いえば、エドヴィン王子に淹れる時より、アレクサンドラに淹れる方が緊張した。
 お茶にうるさいと、社交界で噂なのを聞いたことがあるから。
 アレクサンドラは、一口飲んだだけで

「うちにもお茶淹れに来なさいな」

 と、ニーナに彼女にとっての最上級の言葉で褒めた。

「え……でも……」

 仮にも、ブラウニー男爵家に勤めている身。
 勝手に副業なんて許されないだろうと考える理性くらいは、ニーナは持っていた。

「もちろん、お支払いはしっかり」
「喜んで」

 理性よりもお金の方が、大事ではあるニーナだった。

「そんなことより……殿下」

 ニーナのお茶により、いつのまにか美しいゾンビから、美しい令嬢へと復活を遂げていたアレクサンドラが早速、エドヴィン王子に話を振った。

「私、嫌ですわよ。あなたとお揃いの寝巻きなんて」
「こっちこそ絶対に遠慮したい!」
「あ、でもですね、お二方……たぶん、なんですけど……受け取らざるを得ない状況になるのではないかと、思うのですが」