「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました

 それから、ニーナはエドヴィン王子に「自分が全て話す、黙って聞け」という内容を、ニーナなりの最高敬語で伝えてから、リーゼの家族に向けて全てを端的に過不足なく伝えた。
 いかにエドヴィン王子が、リーゼに片思いしていたのか、ということ。
 アレクサンドラとのカップリングがどれ程までに苦痛だったのか、ということ。
 どうしてもリーゼと結婚したくて、リーゼの視力が悪いのを利用した、ということ。
 それがバカみたいにうまくいって、あれよあれよとABCの全てを終わらせてしまったこと、からのそのまま妊娠発覚、ということを。

「ニーナ。それ、あなたが作った創作よね?リーゼの創作癖が移ったのよね?」

 まずリーゼの母親が、創作説を推した。

「私とリーゼ様を一緒にしないでいただければと」
「に、にににニーナ!その……リーゼが殿下を騙して、あんなことしたってことかい!?」

 リーゼの父親が、口から泡をぶくぶくと出しながら、どうにか声を出した。

「いえ、殿下が、リーゼ様を騙したのです」
「なっ……」

 兄’sは、相手が王子ということもあり「かわいい妹を手籠にしやがって」と内心怒りながらも、何も言うことができず、地団駄を踏んだ。

「まあ、そういうわけで……リーゼ様が行為をしたのはその1回きりだけなのは、婚約者試験から帰ってから今の今まで、全く外に出ていないことを知っている皆様が証人なわけなので」
「そ、そうなんだな」
「何嬉しそうに鼻息荒くしてるんですか。誰のために説明してあげてるんですか殿下」
「す、すまない……」
「に、ににニーナ!?殿下に対してなんと言う無礼を」
「安心してください奥様。殿下はこんなことで怒ったりはしません。何故なら、私がいなければ殿下の幸せなど、ありえないので」

 あまりにもはっきりとニーナが断言するので、エドヴィン王子以外の人間が全員凍りついた。

「ですよね、殿下」
「そうだな」

 エドヴィン王子があっさり認めたので、ますますリーゼの家族達は混乱した。

「あ、そういえば」
「なんだ、ニーナ」
「何でこんなタイミングよく来たんですか?」
「ああ……」

 苦虫を噛み潰したようなエドヴィン王子の顔を見て、間違いなくアレクサンドラが関わってることをニーナは察した。

「どう言われたんです?」
「モノマネしていいか?」
「気持ち悪くない範囲でよろしければ」
「では……ごほん……」

 咳払いをしてから、エドヴィン王子は「おーっほほほ」と高笑いから始めてから

「よかったわね!そのチンアナゴ、一発で妊娠させるなんてなかなかやるじゃないの!とっととリーゼ様をお迎えして結婚してしまってくださいまし、と言われた」

 ニーナは、エドヴィン王子の低音ボイスで、アレクサンドラそのままの口調で言われてしまったので、笑いを堪えきれなかった。