ほんとに綺麗な寝顔。


美人だとか可愛いだとかそういうんじゃない。

ただ、ほかの女にはない綺麗さが一葉にはある。


思わずもう一度金平糖に手を伸ばした。

今度はゆっくりと、確実に舐めて溶かしてから飲み込む。


━━━これで、いい。


さっきみたいにむせて苦しいことは起きない。俺がこのお菓子を心の底から味わいたいと思わなければいいだけ。


簡単、だ。


「んー……」


再び寝返りをうった一葉。


本当に、この女には、


幸せになってほしい。けど、



━━━幸せにするのは俺じゃなくていい。