冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



「は、」


そこに映る俺は、どう見てもいらついている人の顔じゃない。


でも、それでいい。


安心した。俺は何も変わってない。


再び視線を一葉に戻す。


この子は、表情がすごくコロコロ変わる。


嬉しいときには笑うし。

悲しいときには泣く。

怒ったときには感情を言葉にするし。


いつも瞳には光が宿っている。


それが、どうしようもなく眩しい。


「っ、」


「……一葉?」


寝返りをうって横向きになった一葉がこちらを向く。


その瞬間に手が量販店のレジ袋にあたったらしい。


バサバサッ!


一葉が買ったであろう品物が全部落ちてしまった。


「……あれぇ、凪くん、」