こんなんじゃダメだ。
結局みんな傷つけて終わることにしかならないんだから。
中途半端な偽善は毒にしかならない。
俺は、悪役にならないと━━━━
そこでふと、一葉に絡んでいた男のことを思い出す。
……竜北高校のやつらだったよな。
探りのために後ろから少しだけ会話を聞いていた。一葉が手を出されたからすぐに止めたけど。
「南の傀儡師、か」
ネーミングセンスあんじゃん、と他人事みたいに感心してみる。
俺の情報はバレてないはずだったのになぁ。
どーせ竜北高校が送り込んできた刺客が紛れ込んでんだろう。
あー、いらつく。
ちら、と左を見ると鏡に自分の顔が映っていた。



