冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



いらないって投げつけられると思ったのに、あいつは本気で喜んで。


『大事にするね!』


なんて。

こんなもん、大事にするほど一葉の価値は低くないのに。


って感傷に浸ってる場合じゃない。


ガチャ、と扉を開けた。



一葉は一向に起きる気配がないから仕方なく寝室まで運んでいこうと足を動かす。


狭い部屋だから、場所はすぐに分かる。


……質素な部屋。


とてもじゃないが、女子高生の部屋にしては質素すぎると思う。


それでこいつは満足してんだからすごい。


ベッドに寝かせると、スヤスヤとさっきの苦しそうな顔は消えていた。


なぜかほっとした自分を殴りたくなる。

誰のせいだよ、ほんとに。

最近、感情が制御できないときがある。