冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ





まさか起きて……


疑ったけど、一葉は苦しそうな顔で目を瞑っているだけ。

……起きて、ないな。


一葉は嘘をつくのが本当に下手だ。ましてや寝ている演技なんてとうていできないだろう。


『離さないで』


一葉の声に胸がほんの少しきしんだ気がした。……俺の、せいだよな。

でも見ないふり。気付かないふり。

それでも、寝てる間だけなら優しくしてもいい、かな。


変な偽善が出て、一葉を背負ったままポケットを探ると案の定金属が擦れる音がして、キーホルダーのついた鍵が見つかった。


……このキーホルダー、俺があげたやつじゃん。


そこにあったのは安っぽいクマのキーホルダー。


去年、クリスマスに一葉にあげた百均のもの。