冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



嬉しすぎて涙がひっこんでしまった。

ゆらゆらと一定のリズムで揺れる感覚。


泣き疲れたのもあって、ゆりかごのような感覚に、だんだんと眠くなってきて。




「……一葉?」


「……」

「寝たか」


半分寝てたけど、意識だけはかろうじて残ってる状態だった私。


そのとき、凪くんのポケットから着信音が鳴った。

片手で私を持ちながら、器用に電話に出た凪くん。


「もしもし」


『あ、出た。凪、お前何してんの?もう会合始まってんぞ』


とても近い距離だから、相手側の声も微かに聞こえる。


「あー、今日休む」


『はぁ!?族のやつら全員集まってんのに!幹部のお前がいないとか……』