冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



だけどやっぱり、近づくに連れてなんというか不穏な空気が流れてきた。

誰かが叫んだり殴りあってるわけじゃないけど。この先に何か悪いものがあるのは分かるような。なんとなく、だ。

もう秋だからかあんなにうるさかった虫たちが静まりかえっているのを見ると、不安に襲われる。


一瞬足がすくんだけど、また子供っぽいって凪くんに思われるのは嫌だったから、しっかりと地面を踏みしめて歩いた。


しばらくすると、古びた自動ドアが見えてきて、少しの不安を抱きつつ店内に入る。


1歩足を踏み入れると、さっきとは別世界に入ったよう。


ギャハハと下品な笑い方で座り込んでる人もいれば、口喧嘩のようなものをしている人もいて。