冷酷王子がわたしだけに冷たいワケ



昨日の約束っていうのは、ちょっとしたいざこざがある。

昨日の朝、凪くんは朝が私より早いから先に学校へ行っていて。それはもちろんいい。私だって起きれないし、いつものことだもん。

でも、そのあとがいけなかった。凪くんは昨日、なんと朝に女の子と2人で登校してたらしいのだ。


しかもクラスで1番かわいい松嶋 環ちゃんと。クラスの男子が大声で冷やかしたからすぐに分かって。帰ったとき、凪くんにすぐ問い詰めた。


「ほんとだよ」

「っ、」

「でも俺が誘ったんじゃないから。歩いてたら向こうから一緒に行こって」

「それでも、断ってほしかった……よ、」

「一葉のワガママと俺のクラスでの立ち位置、天秤にかけたときに俺のクラスでの立ち位置が圧倒的に勝つから無理」